釧路菓子商組合

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お菓子釧路菓子職人めぐり

添加物は使わない。当時から変わらない、クランツ製品のこだわり。
その理由を訊ねると「学者とか研究者じゃないからよくわからないけど、添加物って薬品みたいなものでしょ?体に悪そうだから、使わないほうがいいんじゃないかな」と柔和に話す、クランツ創業者でオーナーの宮本勝雄氏。氏の穏やかな眼差しの奥には、野心とも言えるベンチャーマインドが潜んでいました。

宮本氏は17歳で釧路の製菓会社に就職し、製菓を学び始めました。
入社まではお菓子に関して特別な思いはほとんどなかったものの、
お菓子についての知識と技術を身に付けるにつれて、
パティシェを目指そうと思うようになったのだそう。

20歳の時には独立開業に向けて開業5年計画を作成し
予定より3年早く、わずか2年で目標を成し遂げ、
昭和48年に釧路市内で初めての洋菓子専門店として開業しました。



お店POPは一つひとつ手作りで、当時からのDIY精神は今も健在

夢実現のその影には多くの困難もあり、
サラリーマン職人だった氏の一番の問題は
開業資金が思うようにたまらなかったとそうです。
「独立には周りのみんなが協力してくれたけれど
お金の話となるとべつだからねぇ」
しかしながら「自分でできることは自分でやる」という信念で、
お店の装飾からチラシ、内装までもホームセンターで調達した
資材で自ら手がけて作り上げ、店舗改装にかかる費用は
材料代だけで済ませました。

8年後には株式会社として組織化し、増資をしながら
ショッピングセンターにテナント出店するなど
パティシェとして経営者として、その手腕をみせています。





若手育成や学生インターシップ体験学習など教育にも積極的に取り組んでいる

今年で38年目を迎え、
ほとんど休むことなく毎日常連客と触れ合いながら
お菓子を作り続けている氏の今の目標は、
自分のようなベンチャーを目指す若いパティシェを支援する
ことだそうです。
「なかなか、ハングリーな奴がいなくてね」と笑いながらも、
数名の若手パティシェ抱え、厳しい目で陰ながら見守っている。

クランツ創業の日の今日(9月2日)も
氏は休むことを知らない人として、お菓子をつくっています。
クランツ 公式ホームページ http://wwwkuranz946.com